「だれかのため」が「自分のため」に

 昨年度、地域の子ども会役員を務めました。コロナ禍を経て会員数は減少の一途をたどり、それに伴い役員を担う保護者の数も減っています。

 役員は仕事や子育てにも忙しく、最初は行事を減らし負担を軽減する話し合いをしていました。しかし歓迎会やドッジボール大会、お祭りなどの行事を行ううちに、みんなで協力してやり遂げようと、意識が変化していきました。

 地域の方々が子どもたちのために力を注がれる姿や、行事を楽しむ子どもたちの笑顔を目の当たりにし、それぞれの行事の意義を理解したからです。

 終わってみると、大きな達成感を得たと同時に、仲間との間には、一緒に闘った同志の様な絆が生まれ、「子どものため」の取り組みが、いつしか「自分のため」にもなっていました。

 ボランティア活動に熱心な方々が口々に語られる「自分のために活動している」の言葉の意味を、少し理解できたような気がしました。

(明)

「今年も赤い羽根共同募金が始まりました」

10月1日より赤い羽根共同募金が始まりました。

集まった募金は、筑後市に住んでいる人が安心して暮らせるまちづくりのため

さまざまな地域福祉活動に使われています。

今年もご協力をよろしくお願いいたします。

「アドバイスが欲しいわけじゃない。ただ知って欲しいだけ」

 20年以上、夫を介護している女性の言葉です。 

 介護家族の会の会員で、ずっとお話をお聴きしていました。

 「とにかく夫を嫌いにならないように、がモットー」「家族会で話すと、すぐ分かってもらえるので、ありがたい」や、「『孫が成人式を迎えるまで、オレは生きるつもりだ』と夫は言っている」という話もお聴きしていました。

 なので、「夫が亡くなりました」の連絡に驚くばかりでした。

 訃報を聞いた他の会員は「長い間、お疲れさまでした」と言われました。そして、長年の介護を労う言葉が寄せられました。そして、女性からは感謝の言葉が返されていました。

 家族の介護という共通点があるからこそ、「分かってほしいだけ」が自然とできるし、介護の頑張りや苦労を理解している人がいることが、介護を乗り切る力になったのかもしれない。

 支援は大事です。そして、理解と共感は、もっと大事なのかもしれません。           (善)

「背景に目を向けて 対話を重ねること」

 我が家の小学生の子どもたちは、些細なことで喧嘩をします。仲裁に入るとき、「〇〇が悪いでしょ!」と口走ってしまっていたのですが…

 先日、災害ボランティア活動に永く取り組まれている方の話を聞く機会がありました。「災害ボランティアセンターでは、意見の相違が起きることがしばしばある。でも、どっちが正しい?ではなく、どちらも正しいのだ。それぞれに理由があるのだから、大事なのは双方が納得できる落としどころを見つけるために、対話をすることなんだ」と熱弁されました。

 冒頭の自分の姿を思い起こし恥ずかしくなったと同時に、本号で紹介した山川さんの「まず本人が何を感じているのかを知ってほしい」という言葉とリンクしました。

 理由も聞かずに自分の意見を一方的に伝えると、相手を傷つけるかもしれません。主張の裏側には必ず理由があります。その発言、態度の背景に目を向けて、対話を重ねることが大切なのだと理解しました。(明)