福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

「もし加害者の青年に会ったら、あなたは何と言いますか?」

本紙で紹介した奥田知志氏の講演では、「相模原事件」も話題に。

加害者の青年は、「役に立たない障害者に多額の税金を使うのは皆の迷惑だ」「障害者は不幸しかつくれない」と、受け入れがたい主張をしました。

 そんな青年に、奥田氏は4年前に面会したと話されました。

 「君はあの事件の直前、役に立つ人間だったか?」と尋ねたところ、一瞬考えこみ「僕はあまり役に立ちませんでした」と答えたそうで、「この事件の真相は、この辺りにあると思った」と言われました。

 つまり、「役に立つ」「立たない」で線引きされている世の中であり、役に立たない者は必要ないという、いわばうば捨て山社会になっていないか、と。

 であれば、「19人をも殺めたあなたに生きる資格はない」と言ってしまうと、青年の受け入れがたい主張と同義になってしまう。

 「何のために生きるか、ではなく、生きること自体に意味があるという捉えなおしが必要」と氏。そして次の言葉で講演は終わりました。

 「もし加害者の青年に会ったら、あなたは何と言いますか?」   (善)