目に見えないことこそ労って

「施設では、福祉用具や介護用ベッドなど、環境が整った中での介護ができます。しかし自宅での介護は、そうはいきません。その中で日々、介護をしている家族の方に、私たち施設職員は頭が下がります」

介護家族の会「コスモス」で、市内の施設職員を講師に招き排泄講座を行なった際の言葉です。

その言葉を聞いた一人の参加者が涙されました。実はこの方、夫の介護でこの施設を普段から利用しており、その施設職員から労いの言葉をかけていただいたことが嬉しかった・・・と後日お話を伺いました。

施設職員の生業としての介護・自宅での家族介護・・・同じ介護でも、家族の介護には休みがありません。目に見えない苦労が多く、終わりも見えにくい自宅での介護・・・。日々当たり前にしていることでも認められ、見てくれている存在がいることが、大きな力になるのだと感じています。

身近な存在の人が大変なときや辛いときこそ傍にいて、労いの言葉や感謝の気持ちを声にして伝えられるよう心がけていきたいものです・・・。  (宏)

笑顔でいるために必要なことは・・・?

ある子育ての情報紙を見て、「子どものために母は笑顔でいないといけない。子どもはお母さんの笑顔が好き。笑顔でいるために、自分で工夫、努力をしよう」という文章が目に留まりました。

「笑顔で子育て」が理想かもしれませんが、現実には私も働いていると、ゆとりをなくし子どもにきつく当たってしまうこともあります。その後、罪悪感と劣等感を抱きます。

一方、増え続ける虐待。他人事には思えません。その親も、わが子を可愛がりたい、子育てを楽しみたい、笑顔で子どもと接したい、という想いがなかったわけではないと思います。

私を含め、今も「笑顔でいられない」背景を抱えている人はたくさんいるはずです。協力してくれる人がいない、相談できる人がいない、生活にゆとりがないなど…。そうした状況にいる親にだけ努力を強いて、子どもは救われるでしょうか。

子どもも親も笑顔でいられるためには、まずは手助けしてくれる人の存在、手助けを求めやすい環境があることが必要と感じるのですが…。(喜)