社協だより「人として」4月号を発行しました。
d3555e2961bfcea1ec85a3d66427480e「認知症の夫が行方不明になった」と介護家族の会の会員さん。
「入浴中のほんの僅かな時間に家を出て行った。何度電話しても出ない。スマホの操作法も忘れている」
「警察へかけこみ、捜索願を出した。警察から改めて夫の携帯へ電話してもらったら…、知らない人が出た。夜中にパジャマ姿の夫を見かけ、保護してくれた方だった。無事に見つかって本当に良かった。今は靴の中にGPSをしのばせている」
「最近は私の名前も忘れた。私は目の前にいるのに『妻がいない』と言う…。夜中に何度も起こされる。ここ最近は3時間くらいしか寝れない。本当に介護は大変」
そんな話を聴きながら、他の会員さんが次のように話されました。
「私も認知症の義母の介護は大変だった。介護する家族の側が倒れるのが一番良くない。だから、あなた自身の体を優先してほしい」
同じ介護家族だからこその会話。同じ言葉でも、同じ介護者だからこそ分かり合えるような気がします。
家族の会での交流、家族同士のつながりは大切だと感じました。 (善)
子育てと介護を同じ時期におこなうダブルケア。
体験者の話を聞き、ダブルケアについて考えてみませんか?
今回のインタビューで、よらん野店長下川さんは、「大したことはしていない。できることをしただけ」と話されました。その言葉が私の中で、一番印象的な言葉でした。
よらん野さん、生産者さん、社会福祉協議会、それぞれの「強み」を生かすことで、グリーンフードパントリー事業になりました。
「強みは当然としてできるので気づかない」という言葉があります。自分の強みは、当たり前のように苦労せずにできるので、自分では気づきにくいものだということです。
私自身、自分の強みはなんですか?と尋ねられた時、何も思いつかず困ってしまいました。
その時、先輩が、「自分では気づいていないかもしれませんが、あなたのコミュニケーション能力は素晴らしいと思っていますよ」そう伝えてくれました。
私にとっては、誰かと話すことは当たり前にいつもしていることだったので、自分の強みだと気づいていなかったのだと気づきました。
「大したことではない、できることをする」それが何かを始めることや、続けるために、大切なことなのだと感じたインタビューとなりました。
数年前、歴史が好きな家族に連れられ、愛媛旅行で正岡子規記念館へ行きました。
両親とは違い、歴史にあまり関心がない私の正岡子規のイメージは、“印象的な横顔の写真”と、“結核で亡くなった有名な俳人”というものだけでした。
幼少期から亡くなるまでのさまざまなエピソードが工夫を凝らし展示され、夢中になって気づけば2時間も滞在していました。
帰るころには、正岡子規のイメージが、「どれだけ体調が悪くても食べたいものを食べる、食べることが好きな人」へと変わっていました。
「人として」知ることで、親近感と興味を持ち、もっと知りたいと思う体験でした。
見た目や国籍、性別、経歴などで人を区別したり、無意識なイメージを持ってしまうことがあります。
しかし、知ろうとしてみると、イメージと異なる、沢山の気づきがあります。無意識なイメージを減らし、多くの人と「人として」関わること、それが私の今年の目標です。 (実)