「アドバイスが欲しいわけじゃない。ただ知って欲しいだけ」

 20年以上、夫を介護している女性の言葉です。 

 介護家族の会の会員で、ずっとお話をお聴きしていました。

 「とにかく夫を嫌いにならないように、がモットー」「家族会で話すと、すぐ分かってもらえるので、ありがたい」や、「『孫が成人式を迎えるまで、オレは生きるつもりだ』と夫は言っている」という話もお聴きしていました。

 なので、「夫が亡くなりました」の連絡に驚くばかりでした。

 訃報を聞いた他の会員は「長い間、お疲れさまでした」と言われました。そして、長年の介護を労う言葉が寄せられました。そして、女性からは感謝の言葉が返されていました。

 家族の介護という共通点があるからこそ、「分かってほしいだけ」が自然とできるし、介護の頑張りや苦労を理解している人がいることが、介護を乗り切る力になったのかもしれない。

 支援は大事です。そして、理解と共感は、もっと大事なのかもしれません。           (善)

「背景に目を向けて 対話を重ねること」

 我が家の小学生の子どもたちは、些細なことで喧嘩をします。仲裁に入るとき、「〇〇が悪いでしょ!」と口走ってしまっていたのですが…

 先日、災害ボランティア活動に永く取り組まれている方の話を聞く機会がありました。「災害ボランティアセンターでは、意見の相違が起きることがしばしばある。でも、どっちが正しい?ではなく、どちらも正しいのだ。それぞれに理由があるのだから、大事なのは双方が納得できる落としどころを見つけるために、対話をすることなんだ」と熱弁されました。

 冒頭の自分の姿を思い起こし恥ずかしくなったと同時に、本号で紹介した山川さんの「まず本人が何を感じているのかを知ってほしい」という言葉とリンクしました。

 理由も聞かずに自分の意見を一方的に伝えると、相手を傷つけるかもしれません。主張の裏側には必ず理由があります。その発言、態度の背景に目を向けて、対話を重ねることが大切なのだと理解しました。(明)

「安心できる居場所と繋がっておくこと」

息子が不登校・ひきこもりを経験した方の話を聞きました。

 「同僚の『息子の成績が悪い』という愚痴に、『学校に行っているんだからいいじゃない』と思ってしまう…。自己嫌悪もあり、周りの保護者とも話が合わなくなっていった」

 「口では『元気でいてくれれば、学校に行かなくてもいい』と言っても、心では『行って欲しい』と思ってしまう」さまざまな悩みや葛藤があったと話されました。

 しかし、「親の会で話すことで『悩んでいるのは自分だけじゃない』と元気になれた」「安心できる場で自分の想いを話すことで、子どものありのままの姿を認められるようになった」とも言われました。

 同じように、本人も安心して悩める環境に身を置くことが大切かもしれないと感じました。

 人生には、いろいろな選択肢があります。本人の「やりたいこと」を尊重しつつ、色んな人や安心して過ごせる居場所とつながっておくことが、みんなの笑顔につながっていくのかもしれません。     (実)

ひとり親家庭の福祉

令和2年より長引く新型コロナウイルス感染症の影響や、ロシアによるウクライナ侵攻などによる物価上昇、円安など不安定な経済状況で、子育てと仕事を一人で担うひとり親世帯を取り巻く環境はいっそう厳しいものとなっています。
近年、ひとり親世帯の母の平均年間就労収入は増えてきていますが、それでも児童のいる世帯の平均年の49.2 %にとどまっています。8割が就労していても、その半数がパートタイム労働者・派遣などの非正規雇用が多く、ダブル・トリプルワークをしていても貧困に陥っている方も少なくありません。安定した収入を得るために就労し、ひとりで何役もこなさなければならならず、否応なしに子どもと過ごす時間を奪われてしまう・・・この現状が時間の貧困を招いています。
これらは、親や子どもの努力では解決できません。社会の仕組み自体の問題を捉え、改善へつなげる必要があります。そのために引き続き、ひとり親の課題に耳を傾け、親も子も安全で安心して生活できるように取り組みを勧めます。

母子寡婦福祉会への支援・助成
・各種イベントへの協力
・ひとり親家庭のための学習支援 詳細は⇒こちら
・「くろーばー」(25歳以下の子どもがいるひとり親家庭のグループ)の活動支援
・会報「くろーばーだより」発行への協力
・「ひとり親家庭のための暮らし応援講座」の実施
■フードパントリーの実施
・ひとり親家庭を応援!フードパントリー(毎月1回実施)
・ひとり親家庭のためのグリーンフードパントリー(毎週月~金曜日実施)
・LINEで配布の有無を配信中!
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