福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

「幼馴染が話してくれたこと」

記事にもあるシブリングサポーター研修。冒頭、素敵な言葉で始まりました。

 「今日の話がきょうだい自身や親御さんでなくても、心に刺さりすぎることがあります。どうぞ上手に自身の心を守りながら聞いてください」

 私の幼馴染は、小学生の時に兄弟を亡くしています。

 大人になって話してくれました。

 「実は、誰にも言えなかったけど学生時代が本当にきつかった。その頃から誰かに分かってもらいたいと期待することをやめてしまった」と。

 シブリングサポーターのような気持ちを伝えられる人がいれば、もっと楽に生きられたんだろうなと思いました。

 「家族に自分の気持ちを全部分かって欲しいと思ったこともあった。けれど、責め続けるのもつらいから、仕方ないところもあるのかなって、許すことができた時、楽になった」とも話していました。

 今では沢山笑う幼馴染。自分が心から楽しいと周りも楽しいことを知っているみたいです。   (実)

「もし加害者の青年に会ったら、あなたは何と言いますか?」

本紙で紹介した奥田知志氏の講演では、「相模原事件」も話題に。

加害者の青年は、「役に立たない障害者に多額の税金を使うのは皆の迷惑だ」「障害者は不幸しかつくれない」と、受け入れがたい主張をしました。

 そんな青年に、奥田氏は4年前に面会したと話されました。

 「君はあの事件の直前、役に立つ人間だったか?」と尋ねたところ、一瞬考えこみ「僕はあまり役に立ちませんでした」と答えたそうで、「この事件の真相は、この辺りにあると思った」と言われました。

 つまり、「役に立つ」「立たない」で線引きされている世の中であり、役に立たない者は必要ないという、いわばうば捨て山社会になっていないか、と。

 であれば、「19人をも殺めたあなたに生きる資格はない」と言ってしまうと、青年の受け入れがたい主張と同義になってしまう。

 「何のために生きるか、ではなく、生きること自体に意味があるという捉えなおしが必要」と氏。そして次の言葉で講演は終わりました。

 「もし加害者の青年に会ったら、あなたは何と言いますか?」   (善)

「おせっかい」

 ご近所に、毎日一万歩を歩く高齢で一人暮らしの女性がおられます。その方は歩きながら道や公園のごみを拾ったり草とりしたり、近所の人と会話したり…。ゴミ収集日には必ず収集所に立って、係でもないのに分別の手伝いや片付けもされます。

 近所の家の様子もよく見られていて、最近見かけない人がいれば隣の人に尋ね、庭の手入れに困っている人がいれば枝木を切ったり草取りを手伝ったり姿も見かけます。

 近所付き合いを面倒に思う人も増え、「おせっかい」、ひょっとしたら「監視」と感じる人もいるかもしれません。実際、引っ越して初めてこの方と会った時は圧倒されました。しかし、今はこの方とのおしゃべりが大好きです。地域の最新情報も昔のことも、色んなことを教えてくださいます。

 そして公園、道路、ごみ収集所も、いつもきれいなのはこの方のおかげです。わが家の子どもたちにもいつも声を掛け見守っていただき、近所をパトロールしてくれていると思うと家を空けている時の安心感もあります。

 今や減った「おせっかい」のありがたさを感じますし、それが今も受け入れられている地域っていいなあ、

と私は気に入っています。   (喜)