福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

「戦後80年。想いを受け継ぎ、生きていることそのものを大事にできる社会へ」

 今年は戦後80年。メディアを通して多くのことを目にしました。
特に印象深かったのは、「亡くなった人たちのために、生きている自分にできることは…」と、身近な人を亡くし、さまざまな想いを持ちながら必死に戦後を生きてきた方達です。

 学生時代に学んだ戦争の悲惨さ。当時からその恐ろしさを、受け止め切れずにいました。
しかし今回改めてその恐ろしさと向き合うと、戦後を生きる方たちのさまざまな苦しみを感じることができました。

 同じ時間を生きていることを、ただただ喜び、それぞれが自分らしく安心して暮らせるように…。互いに支え合い、繋がりあって暮らせるように…。戦後100年、200年と言い続けられるように…。未来を生きる人たちが、平和に明るく暮らしていけるように…。

 それらを叶えるために大切なのは、戦後必死に生きてきた方達の想いを受け継ぐことです。
社会に役立つことで生きていい、ということではなく、生きていることそのものを大事にできる社会を育むことが必要だと思いました。        (実)

ダブルケア「理解」の大切さ

 「高齢者の見守り訪問をするとき、子どもさんと同居している家庭は安心していましたが、本当は、大変な思いをしているかもしれないと感じました」本号で紹介した、佐藤さんの講演を聞いた、参加者の感想です。

 実は私も、講演を聞いて、はっとした一人でした。

 私の祖母が脳の病気で倒れた時、母は第一子を妊娠中。出産後、慣れない土地で介護と育児を同時に担うことになりました。

 当時は、介護保険などの制度もなく?家のことは嫁がするのが当たり前?という時代でした。

 障害が残り、母や私たちの存在を認識できず「よそ者がいる」と怒り続ける祖母を介護しながらの家事や子育ては、10年以上続きました。母の姿を見て、「大変そうだ」と感じていました。

 しかし、佐藤さんのお話を聞くまで、自分の母が体験していたそれが、「ダブルケア」と結びついていませんでした。

 「ダブルケア」がどのようなことをさすのかを「知る」ことが入り口だと思います。でも、大切なことは、自分の身近にあることとして「理解する」ことなのだと改めて感じました。 (中)

「ちっご祭で街頭募金」

10月19日(日)に開催されたちっご祭で、赤い羽根共同募金街頭募金を行いました。

「おやこでボランティア体験」として、一緒に募金活動をしてくれる小学生を募集し、11名のお子さんにご参加いただきました。

「募金をしてもらえて、温かい気持ちになった」「また来年もしたい」といった感想も聞かれました。

参加者の皆さん、募金にご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

「だれかのため」が「自分のため」に

 昨年度、地域の子ども会役員を務めました。コロナ禍を経て会員数は減少の一途をたどり、それに伴い役員を担う保護者の数も減っています。

 役員は仕事や子育てにも忙しく、最初は行事を減らし負担を軽減する話し合いをしていました。しかし歓迎会やドッジボール大会、お祭りなどの行事を行ううちに、みんなで協力してやり遂げようと、意識が変化していきました。

 地域の方々が子どもたちのために力を注がれる姿や、行事を楽しむ子どもたちの笑顔を目の当たりにし、それぞれの行事の意義を理解したからです。

 終わってみると、大きな達成感を得たと同時に、仲間との間には、一緒に闘った同志の様な絆が生まれ、「子どものため」の取り組みが、いつしか「自分のため」にもなっていました。

 ボランティア活動に熱心な方々が口々に語られる「自分のために活動している」の言葉の意味を、少し理解できたような気がしました。

(明)