福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

再出発のチャンスと焦らず見守る環境

2019年8月1日

「こんにちは」水曜日と金曜日の13時半を過ぎると、少し緊張した面持ちで次々に若者が部屋に入ってきます。

「ふらっとスペース」では、不登校やひきこもりがちな若者の居場所づくりのためのフリースペースの開設と、内職の提供等を通した社会復帰のサポートをしています。
ふらっとスペースで内職作業をする方たちは、とても熱心に作業に打ち込まれます。休憩を促してもすぐに手を休めようとはされないほどです。終了後には率先して片付けや戸締りなど
をされます。スタッフが忙しくしているとさりげなく声を掛けて手伝ってくださいます。
与えられた仕事に責任を持つ、受身でいるだけでなく自主的に動く、他の人の様子も伺いながら協力し合う…そうした力を持っておられるのです。

この方たちと一緒に過ごしていると、これまでひきこもっていたのは本人の怠けや弱さのせいではない、ということが実感できます。望むゴールはそれぞれ違いますが、誰にとっても居
場所や再出発するチャンスのある環境、そして焦らず・焦らせずに見守る環境が必要なのだ、
と感じます。   (喜)

自分で選択し、切り開いた自立生活

2019年7月1日

33年前、重度障害のある方では市内で初めて自立生活を始めた男性がいました。そして今年5月、意志を全うし一人暮らしをしてきた自宅で亡くなられました。先日開かれた偲ぶ会では、参加者同士で思い出を語り合いました。

障害がある・ない、世話する・されるの垣根なく付きあう大切さをよく話され、誰とでも自然体で気さくに接する方だったので、交友関係も広かったようです。

一方「主体性があまりなくサポートする上で困った…」との声も。以前発刊された自叙伝に、自立生活するまで自分の意志を言って良いという考えすら持たなかったという経験が綴られていたのを思い出しました。その後周りの方との関わりで、徐々に自分の考え、希望を伝えられるようになられたようです。

地域の中で誰もが希望を語り自分で選択し、それを叶えるために支援を受けやすい環境と関係性を築いていくー。制度もサービスもない時代に自立を決意した勇気と、支援体制を自分でつくる行動力を持ち、地域に種をまいて下さいました。そしてこれから、そんな地域を育てていくことが私たちに残された役目だと思っています。  (喜)

目に見えないことこそ労って

2019年6月11日

「施設では、福祉用具や介護用ベッドなど、環境が整った中での介護ができます。しかし自宅での介護は、そうはいきません。その中で日々、介護をしている家族の方に、私たち施設職員は頭が下がります」

介護家族の会「コスモス」で、市内の施設職員を講師に招き排泄講座を行なった際の言葉です。

その言葉を聞いた一人の参加者が涙されました。実はこの方、夫の介護でこの施設を普段から利用しており、その施設職員から労いの言葉をかけていただいたことが嬉しかった・・・と後日お話を伺いました。

施設職員の生業としての介護・自宅での家族介護・・・同じ介護でも、家族の介護には休みがありません。目に見えない苦労が多く、終わりも見えにくい自宅での介護・・・。日々当たり前にしていることでも認められ、見てくれている存在がいることが、大きな力になるのだと感じています。

身近な存在の人が大変なときや辛いときこそ傍にいて、労いの言葉や感謝の気持ちを声にして伝えられるよう心がけていきたいものです・・・。  (宏)