福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

“こうあるべき”から“こんな風でも良い”に

「性や恋愛について『こうあるべき』『こうしなければならない』という規範にとらわれすぎると、そこから外れた人は満たされない気持ちになる」今回の障害者問題セミナーの講師の一言です。

「(子どもなら)学校に行くべき」

「(大人なら)仕事に就くべき」

「(家族なら)介護するべき」

性や恋の話題以外にも、私たちの周りには様々な「こうするべき」「こうしなければならない」が存在しています。当たり前のことだと見逃していることも多いのかもしれません。

しかし、冒頭の言葉のように、それが出来ないとき。周囲の「こうするべき」という認識は、とても苦しいものになってしまうのかもしれません。

「こんな方法もあっていい」「しなくてもいい」そんな風に、選択肢がたくさんあったり、様々な考え方が選べる環境があることで、苦しい気持ちが少し軽くなるのではないかと思います。

「こうあるべき」を「こんな風でも良い」に。少し視点を変えてみませんか?          (拓)

悩みを打ち明けると状況は好転する

久しぶりに再会したきょうだい会の会員が、結婚し、もうすぐ出産を控えていると報告してくれました。

弟に知的障害があり、「私だけ幸せになって良いのだろうか」という葛藤を抱えていた時期もある彼女の報告に、嬉しさを感じました。
ところが、彼女の出産・育児を、両親がサポートするために、弟を施設入所させるという話が出ている、とのこと。

「私の結婚・出産のせいで弟が入所してしまうの?」「将来は施設入所を考えていたものの、私がきっかけになってしまった?」と、自分を責めてしまい悩んだ、と話してくれました。

そんな彼女は、「悩みを話せたことが大きかった」とも話しました。

「きょうだい会で知り合った人に連絡し、相談に乗ってもらえた。すぐに理解してもらえ、前向きになれた」と。

悩みを打ち明けると状況が好転する――。これは、きょうだい会に限らず、ひきこもり家族会や介護家族の会など、様々な場面で感じることです。

助けてと言えた時が助かった時。大事なのは、「助けて」と言える環境に身を置くことと、悩みを打ち明ける少しの勇気なのかもしれません。 (善)