貧しくて、空き巣をしながら生活していた子どもを見つけた女性。
放っておけず、自身が園長をつとめる保育園の自室に招いたのが、戦後の学童保育の始まりだった―。先日学童保育の研修で聞いたお話です。
目の前の子どもの辛さや困難に寄り添い、どうにかしなければ、との思いが土台となって、その後学童保育は全国に広まっていきました。
一方で、物は豊かになったものの、コロナ禍で育つ今の子どもたちは多くの制約の中で生活しています。そのため、色々な経験ができない、育ちに必要とされる社会とのつながりを持ちにくい、という問題を抱えています。
そして、学校生活や家庭環境で何らかの悩みや困難を抱えている子どもたちも増えています。しかも昔のように外見では分からないため、周囲から気づかれずに、孤立を深めている子もいるかもしれません。
初めて学童保育を始めた女性のような存在が、この時代にも必要かもしれません。子どもの問題を放っておかず、家でも学校でもない第3の場所に居場所を持てるようにと、子どもを支えていくことが、今こそ大切ではないでしょうか。 (喜)