福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

「善意だと分かるから苦しい」

 「兄も不登校だった。学校へ行くと、先生たちは『お兄ちゃんは家でどんな感じ?』と私に尋ねてくる。私の話や気持ちは聞いてくれないんだな、と思った。先生に対し不信感を持った」

 不登校経験のある方の話です。とあるイベントで、ご自身の経験談をお話された時のものです。

その話を聞きながら、ある女性のお話を思い出していました。この女性には、障害のある弟がいます。

 「自閉症の弟がパニックになったとき、先生はその対応方法について、私に聞いてきた。何で私に聞いてくるのか、先生の役割ではないかと思った。周りの目を感じながら、私が弟の対応をした。そして、周りの目を嫌だと感じてしまう自分に対しても、自己嫌悪があった」

 こうして経験談として聞くと、「その通りだ」「きょうだい児への配慮が必要だ」と思います。しかし、その一方で無意識的に同じようなことをしてきていないか、とも考えさせれられました。

 決して悪意があるわけではなく、むしろ善意としての言葉かけだったりします。しかし、善意だと分かってしまうから、きょうだい自身も苦しいのかもしれません。         (善)