ある青年の話です。彼の弟には重度障害があります。
「家族のことは誰にも話さなかった。同級生・同僚などにも内緒にしていた。弟のことを話して変な空気になるのが嫌だった。しかし、話さないことで感じる自己嫌悪や、家族・同僚への後ろめたさなど、悶々とした気持ちがあった」。
そして「本音を隠し続ける中では、100%の力を出せない自分を感じていた」とも。
ところが、そんな彼から転職の報告を受けました。障害のある人の就労を支援する仕事でした。
「面接の時点で、弟や家族のことを話した。すると、すぐに理解してくれた。自分のバックグラウンドをオープンにできるので、何も隠すことがない。そんな環境だから本当の自分の力が発揮できるように思う」と話してくれました。
彼の決断にエールを送りたい。そして、安心して本音を話せる環境と、そんな環境に身を置くことが大事なのだと感じました。 (善)