本号でも紹介したきょうだい会には、幼少期に知的障害の妹を病気で亡くした女性も参加しています。
「同僚に、『きょうだいいるの?』と尋ねられると、どう答えたものか、いつも悩む」
「『妹は障害があり、病気で亡くなった』と言うと変な空気になるのは分かっている。だから、『きょうだいはいない』と言ってしまう…」
「だんだんと、妹のことを知っている人が少なくなっていく。だけど、私には妹がいた。妹の存在が消え去らないために、きょうだい会に参加したい」と彼女は話します。
だんだんと遠い過去になりつつも、妹との思い出を話す彼女。きょうだい会のメンバーは、「うんうん」と、ただ話を聴いています。
幼少期に身近な人を亡くすのは大きな出来事です。
今、グリーフケアが着目されています。これは、身近な人との死別の悲しみに寄り添うことです。
多死社会を迎える中では、悲しみに寄り添ってくれる人や場はとても貴重です。そして、そんな人や場とつながっていることが、これからを生きる力になると思うのです。 (善)