たくさんの汗をかき、ふらつきながら、ゆっくり歩く高齢者。そんな場面に出会いました。万が一、転ぶと危険だと思い、声をかけてみたのですが…。
「荷物持ちましょうか?」「家まで送りましょうか?」しかし答えは、「大丈夫です」「人様に迷惑をかけないよう、自分だけで行動しています」と。
かといって、「分かりました」とは言えず、一緒に歩くことにしました。聞けば数十メートル先に停めた車に向かっているとのこと。
途中、近所の方も心配して出てこられ、口々に声をかける。しかし、誰の声掛けも「大丈夫です」と言われる。
約1時間かけ車に到着。「ご迷惑をおかけしました。人に頼っちゃいけないと思っています」と言われました。
確かに「できるだけ自分でやりたい」という願いはある。だから、この方の選択は正しいと思う。しかし、例えば、手助けを受け入れて、お互いに「良かったね」と言い合える選択肢もあるのではないかな‥、と。
ただ、見知らぬ人の「手伝いましょうか?」の問いかけを、私なら素直に受け入れることができるだろうか。
ゆっくりと動き出す車を見送りながら、そんなことを感じていました。(善)