福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

「弱さを認める強さ」

 長年お世話になっていたKさんが永眠されました。末期がんでした。

 Kさんには視覚障害があり、小学校での福祉教育のゲスト講師として、優しく子どもたちに語りかけてくださいました。

 この活動を、「見えないことは不便だけど不幸ではない。色々なことにチャレンジして、お互いしっかり生きていこう。そんなことを子どもたちに伝えたい」と話しておられました。

 一方で、代筆やゴミ出しなどを周囲に頼まれたり、パソコンの扱い方などを尋ねに来られました。明るい性格の持ち主で、「ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど」と声をかけられたものです。そして、闘病中には終活も進められ、「協力してほしい」とお願いされたりもしました。

 それは、まさに「自立した姿」に見えました。自分の弱さを認め、他者を頼りながら支え合って生きる姿こそ、自立なのだろうと思います。

 最後は「医療に役立ててほしい」という生前の希望通り、献体としてご自身の体を提供されました。

 弱さを認める強さを、Kさんに学びました。出会えて感謝です。いってらっしゃい、Kさん。合掌。    (善)