「症状ゆえの苦労以外の、“知られまいとする苦労”」

 今回行なった精神障害のある女性へのインタビュー。話を伺って印象的だったのは、周りの方へたくさんの感謝の気持ちを持っておられる、ということ。とても素敵だな、と改めて彼女の魅力を感じました。

 数日後、記事にまとめて彼女に確認して頂きました。その時一番に気にされたのは、「私だと特定されないか」ということ。取材時も言われたのですが、「私が独身ならどれだけ知られても構わない。でも、子どもが変な目で見られたら怖いから」と。

 誰でもなる障害で、本人が責められるものでも、怖いものでもないことは明らかです。それなのに、なぜ彼女は隠さないといけないのでしょうか…。

 障害はマイナスな面ばかりではないものの、彼女の場合は今でも、眠れなかったり極度に疲れやすかったりと、様々な苦労もされています。しかし、その症状ゆえの苦労以外に、障害を周りに知られまい、という苦労をしないといけない…、これが一番の問題だと感じました。

 同時にそれは、正しい理解や声掛けなど、地域の一員である私たちの意識や行動で解決していけるのでは、と思っています。       (喜)

「私は付属品じゃない!」

 「私は付属品じゃない!」という声が心に刺さりました。妹に知的障害がある 歳代の女性の話です。

 「子どもの頃、妹の療育に母は私も連れて行っていた。療育施設に着くと母と妹は別室に行く。母と保育士たちと楽しそうにしている妹の姿が窓から見えた。私は一人ぼっちだった。たまに通りがかる職員は、私のことを『○○ちゃんのお姉ちゃん』と呼ぶ。私も一人の子どもだよ!私は付属品じゃないよ!そう思っていた」

 そんな彼女は「親は妹の世話で大変。だから親に甘えた経験がない」「誰を頼って良いか分からず、誰にも助けを求められなかった」とも。

 こうした話はこの女性特有のものではなく、きょうだい支援に関わる中では、よく話題になることです。

 ひょっとしたらヤングケアラーにも同じようなエピソードがあるかもしれない。だとしたら、私たちがすべきは、一人ひとりの子どもを大切にすることと、「助けて」と気軽に表現できる環境をつくることではないか。

 「私は付属品じゃない!」と心の中で叫ぶ子どもを減らしていくのは、大人の役割ですよね。      (善)

「自分を許す」

「『大変』なままで終わらせないで欲しい」

 点訳グループむつみ会で、小学校の福祉教育でもお話してくださる視覚障害の方のお宅に伺った際に言われた言葉です。

「最近、自分のことを書いてみてるの。聞いてくれる?」といつもの明るい調子で言われ、点字で書かれたものを読み上げて下さいました。

 子どもの頃、徐々に目が見えなくなっていくときの気持ちや手術・入院中の様子、両親とのやりとりなどその光景が目に浮かぶような言葉についつい自分の過去も重ねて涙を流してしまいました。

 冒頭の言葉は、『大変』さを受け入れ、自分のことも周囲のことも許し、前向きに生きる方の言葉ではないかなと思います。

 人それぞれ『大変』なことは違います。『大変』さを誰かに分かってもらうことも大切ですが、自身が理解し受け入れ、許すことができれば、楽に、前向きになれるのだろうと改めて感じました。

 そんな、心が温かくなる素敵な時間でした。        (実)

「あなたのように年齢を重ねたい」

とある地域デイサービスのボランティアの方のお話です。

「昨年大きな病気をしました。死も覚悟しました。明日手術という日。お別れを言おうと思い、地域デイサービスの会長さんに電話をしました」

会長さんと地域デイサービスで楽しかったことや色々な思い出話をしました。すると、不思議と手術が怖くなくなった。死が怖くなくなったのです」

「手術は成功し、今またボランティア活動をしています。ボランティアは誰かのための活動。でも、自分のためでもあると思いました」

ある校区での研修会後に、呼び止められ、そんなお話をお聴きしました。

このお話を地域デイの会長さんにこっそりお伝えしたら、「そう。手術の前日に電話があって・・。本当に良かった」と涙ぐまれていました。

本当に素敵な関係。素敵な瞬間のおすそ分けでした。こんな時、「この人たちのように年齢を重ねたい」と感じます。地域での福祉活動にはそんな出会いや瞬間がたくさんあります。

そして、「あなたのように年齢を重ねたい」と思われるような生き方をしていきたい、と思うのです。  (善)

《年末年始の窓口業務について》

年末年始の社会福祉協議会の窓口業務についてお知らせいたします。

12月28日(火)は通常通りです。(8時30分〜17時15分)

12月29日(水)〜1月3日(月)はお休みです。

1月4日(火)は通常通りです。(8時30分〜17時15分)