悩みを打ち明けると状況は好転する

久しぶりに再会したきょうだい会の会員が、結婚し、もうすぐ出産を控えていると報告してくれました。

弟に知的障害があり、「私だけ幸せになって良いのだろうか」という葛藤を抱えていた時期もある彼女の報告に、嬉しさを感じました。
ところが、彼女の出産・育児を、両親がサポートするために、弟を施設入所させるという話が出ている、とのこと。

「私の結婚・出産のせいで弟が入所してしまうの?」「将来は施設入所を考えていたものの、私がきっかけになってしまった?」と、自分を責めてしまい悩んだ、と話してくれました。

そんな彼女は、「悩みを話せたことが大きかった」とも話しました。

「きょうだい会で知り合った人に連絡し、相談に乗ってもらえた。すぐに理解してもらえ、前向きになれた」と。

悩みを打ち明けると状況が好転する――。これは、きょうだい会に限らず、ひきこもり家族会や介護家族の会など、様々な場面で感じることです。

助けてと言えた時が助かった時。大事なのは、「助けて」と言える環境に身を置くことと、悩みを打ち明ける少しの勇気なのかもしれません。 (善)

恋の力

障害当事者のAさんは、初対面の私にも、楽しそうに交際中の彼との話を聞かせてくれました。Aさんの彼も同じく障害当事者です。

障害のある人の恋愛や結婚には、望まない妊娠のリスクや、金銭管理や家事など、生活を維持することの困難さがあることも確かです。

しかし、Aさんは周囲の支援を受けながら、順調に交際を続けています。そして、彼の存在が生活や仕事のモチベーションにつながっているようでした。

障害があるから・・・。リスクが高いから・・・。そんな風に、先回りして予防しようとしたり、遠ざけようとしたり、そう考えてしまってないだろうかと、自分自身を振り返りました。

それは、可能性や生きがいを奪ってしまっているのかもしれない。周りの支援や理解があれば実現できることはたくさんあるのでは、と気づかされました。

「今は離れて暮らしているから寂しいときもある。結婚して一緒に暮らしたいです」と目標を語るAさん。やはり「恋の力」は大きいようです。               (拓)