福岡県筑後市の社会福祉法人 筑後市社会福祉協議会

点訳グループむつみ会の活動

「病院のパンフレットをすぐに点訳してもらえるので助かる」

「電化製品の説明書も点訳してもらえたのでスムーズに使用できた」

先日、点訳グループむつみ会が新聞社の取材を受けました。記者の方とのやり取りの中で、視覚障害当事者の方が語られました。

現在は、一般の書籍などの点字版や音訳データなどは日本全国で取り寄せられる便利なサービスがあります。しかし、病院の資料や取扱説明書のように生活に密着した情報を手に入れるためには、地域に根ざした点訳活動が必要です。

現在、医療の発達などの影響で生まれつき視覚障害がある人は減少しています。そのため、点字が読める人の数も減りつつあり「活動依頼も減少してきた」とむつみ会会員。グループとして新たな活動の方向性も模索中です。しかし、活動の原点は視覚障害者の生活を守ること。会員は続けてこう語りました。

「多い少ないではなく、一人でも必要としている人がいる限り、むつみ会の活動は続きます」 (拓)

「〇〇問題」を目にするたびに

先日、ある老人クラブの研修で、「年齢を重ねて良かったことは?」と質問してみました。すると、「色々なことを経験したこと」と答えられた方が多くおられました。

「経験」に裏打ちされた言葉は、時には誰かを支える力になります。同じ言葉でも、年齢を重ねた人が言うことで、説得力や深みが生まれると思うのです。

ところが、高齢化がますます進んでいる中で、「高齢者問題」「高齢化問題」等として取り上げられることが多くなっています。もちろん、社会構造上の課題はあるのですが、こうした言葉を聞くたびに、「高齢になることは問題なのだろうか」と思ったりもします。

同じように、最近では「女性問題」がニュースを賑わしていますが、これは男性の問題です。では、「障害者問題」は?「LGBT問題」は?

言葉じりを捉えるようかもしれませんが、こうした「〇〇問題」を目にするたびに、〇〇じゃない人も、その問題の当事者なのだと思うのは、私だけでしょうか・・。 (善)

“こうあるべき”から“こんな風でも良い”に

「性や恋愛について『こうあるべき』『こうしなければならない』という規範にとらわれすぎると、そこから外れた人は満たされない気持ちになる」今回の障害者問題セミナーの講師の一言です。

「(子どもなら)学校に行くべき」

「(大人なら)仕事に就くべき」

「(家族なら)介護するべき」

性や恋の話題以外にも、私たちの周りには様々な「こうするべき」「こうしなければならない」が存在しています。当たり前のことだと見逃していることも多いのかもしれません。

しかし、冒頭の言葉のように、それが出来ないとき。周囲の「こうするべき」という認識は、とても苦しいものになってしまうのかもしれません。

「こんな方法もあっていい」「しなくてもいい」そんな風に、選択肢がたくさんあったり、様々な考え方が選べる環境があることで、苦しい気持ちが少し軽くなるのではないかと思います。

「こうあるべき」を「こんな風でも良い」に。少し視点を変えてみませんか?          (拓)